蕾 - 【第6回】短編小説の集い

「ほんで、4月からどうすんの。」 「どうすんのって、何が。」 黒い空にぽっかりと浮かぶ白い月に向かって、アカリはふうと煙を吹きかけた。 「何がって、働いたりしないの。」 「働いてるじゃん。」 手に持った缶ビールを傾けてグビリとひとくち飲む。ヤニ臭い口の中もアルコールを流し込めば気にならなくなった。 「それ…