雪どけ - 第5回短編小説の集い -

7時。健司のいつもの起床時間だ。もう何年も前から目覚まし時計がなくてもほとんどぴったりこの時間に起きるようになっている。腰に負担がかからないよう、横を向いて手をつきながらゆっくりと起き上がると、隣で寝ている雪子を起こさぬようそろりと布団から出た。 台所で一人分のコーヒーを淹れ、椅子に座ってテレビを見…